谷敦志個展「ポップでフェティッシュな日常が今日もダラダラ続く!」
会期: 2011-08-27 - 2011-09-05
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
写真
展覧会タグ:
写真
開催内容
異才写真家・谷敦志が混沌の時代に向けて放つCool で おバカで大丈夫な写真たち
谷敦志(たに・あつし)は一貫して人間の肉体を作品化し続けてきたアーティストです。
彼の作品に登場する肉体はボンデージやタトゥによって異化され、ルーペを通して異様に拡大され、金属に乱反射して歪められ、手術器具や風変わりなガジェットに覆い尽くされ、またある時はその重力を失って浮遊し、飛び散っていきます。
肉体が精神を閉じ込める牢獄に過ぎないとしたら、人はその哀れな精神をどのようにして解き放つことができるのか。
谷敦志の作品はそんな問い掛けを見る者に、そして自らに投げかけているようです。
今回の個展「ポップでフェティッシュな日常が今日もダラダラ続く!」ではラテックスやチューブから成る鈍い質感の物体やシャイニーなテキスタイルが肉体に執拗にまとわりつき、それに反発するモデルの肉体との間で不思議なフォルムを形作っています。
そしてモデルたちは得体の知れないオブジェにその身を包まれるという奇妙な体験に遭遇しながらも、なぜかそれぞれに「大丈夫」な空気感を漂わせています。
3.11以降、何か事あるごとに私たちが感じる、世界に対する違和感や諦念。そして破滅と背中合わせの危機(クライシス)と併走する日々から滲み出してくる、人間の根源的な生命力と黒い笑いが、「ポップでフェティッシュな日常が今日もダラダラ続く!」に出展される作品群では見事に表現されています。