日本古来からあるカタチ。
水が渦を巻くさまとも解釈されるようになり、本来、中国では人が腹ばいになる姿を現す象形文字の巴という漢字が、形の類似から当てられた。水に関する模様であることから、平安末期の建物に葺かれた軒丸瓦などに火災除けとして、巴紋を施した。水の渦巻いている様、蛇がとぐろを巻いている様、雷光の走る様、勾玉を象った物、雲を表現したもの、巴紋の謂れは諸説一杯で定説はない。
しかし、古代より、世界各地にこの文様は見られ、一様に神秘性・霊的威力を各民族は感じ取ってきた。渦のうねりから湧きあがる強い力、生命力を感じ取れるものである。古来、動物と人はどんな繋がりを持って今日に存在するのか?人が生物を通じてどんな思いや願いを託したのか?というところから今回の創作がスタートした。蝦蟇図では中国の仙人が妖術を使う時に蝦蟇を用いたとされた。
蝦蟇の目は右が太陽、左が月を表している。これは宇宙誕生を意味するものである。口の中からは「渦」うねりを表現したものだ。妖術を使うということは私にとってそれは自己表現そのものにも思えたのである。生物を創作する時、私はいつもどこかで神格化させたいと思い続けていたのだ。昔から創作してきた作品と現在の創作とがようやく繋がりそして今、確認していることが支柱になって生物を通じてカタチになっていくことを・・・・。
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