神戸を拠点として活躍した、関西戦後芸術を代表する美術家のひとり。
1973年頃から1980年頃には、ゼログラフィー(青焼き写真)と呼ばれる電子複写技術を使用した作品を制作。図形を描いた紙を折ったり歪ませたりして変形させたものを撮影し、人間の知覚のあり方を問い直すような作品を制作する。晩年では油彩作品を中心に制作。その作品においては、絵の具を塗った後に布で拭き取る工程により、作品あるいは画家という存在の証明と否定とが拮抗しあう。人間の根本的な知覚を見つめなおすところから、自らの存在そのものへと向き合う、木下による一連の思索の過程を鮮やかに描き出している。
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