濱野は、「版」というある種のフィルターに自身の作品を一度託す「版画」特有のプロセスに特別な思いを持っているように思う。
版を制作する過程で思い描いていたイメージが、インクの具合、プレスの過程、あるいは紙の質感によって、何かしら影響を受け、作家の予想を超えた表情さえも見せることがある「版画」。濱野はその予想外の表情を「エラー」と表現している。
「エラー」とはネガティブな意味合いを含む言葉に思えるが、濱野はそれに柔軟な姿勢で向き合い、受け入れ、時に疑問に思い見つめなおしている。
作品と自身のイメージの反復を繰り返す、作家の真摯な眼差しを作品からも感じ取れるはずだ。
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