生誕130年記念 藤田嗣治展 -東と西を結ぶ絵画-

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会 期
20160716日 -  20160922
開催時間
10時00分 - 18時00分
金・土曜日は20時00分まで
入場は閉館の30分前まで
休み
月(7月18日〔月・祝〕は開館、翌7月19日〔火〕休館、9月19日〔月・祝〕は開館、翌9月20日〔火〕は休館)
入場料
有料
一般 1,400(1,200)円、大学生1,000(800) 円、高校生・65 歳以上700(600) 円
※(  )内は前売および20名以上の団体割引料金 ※ 障がいのある方は各当日料金の半額(65歳以上をのぞく)。その介護の方1名は無料 ※ 割引を受けられる方は証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で観覧券をお買い求めください。
展覧会の撮影
不可
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
兵庫県立美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
兵庫県立美術館
住所
〒651-0073 兵庫県
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内]
最寄り駅
岩屋
電話番号
078-262-1011

詳細

展覧会内容

 19世紀半ば、北斎や広重を含む浮世絵がヨーロッパ絵画に与えた影響は「ジャポニスム」と名付けられ、モダンアートの誕生に大きな貢献をしました。以来数百年、東西の交流はさまざまに豊かな成果を生み出しましたが、その原点でもあり頂点でもある存在として、今なおまばゆい輝きを放っているのが藤田嗣治(1886-1968)の芸術です。
 27歳で初めてフランスに渡って以来、81年の生涯の半分近くをフランスを中心とする異国で送った藤田の芸術は、まさに東と西の文化の上に誕生したものでした。陶器を思わせる滑らかで鈍い光沢を放つ白い下地の上に引かれた、均一にして流麗な線によって浮かび上がる美しい裸婦の姿。ヴォリュームと線、写実と装飾という対立する二つの要素を、ヨーロッパの伝統的な主題の上に見事に融合してみせたその芸術は、藤田を一躍パリ画廊の寵児の位置に押し上げました。
 しかし、東西の豊かな土壌の上に新たな芸術の花開かせた藤田その人は、一方で二つの文化に引き裂かれる苦しみを味わいます。大きな成功を手にした後も繰り返し浴びせられる毀誉褒貶。戦争画の問題を巡る過熱した責任論は、二つの世界に生きた藤田が背負わされた重い十字架でした。その心の苦しみを癒すかのよう、最晩年の画家はランス礼拝堂の建設に残された生命を注ぎ込み、完成から1年あまりでこの世を去ります。東西融合の喜びと苦しみを一身に引き受けた生涯でした。
 今回の展覧会は、東と西の間に花開いた藤田嗣治の芸術の全貌を紹介するものです。画家没後長らく遺族のもとに保管され、ランス市に寄贈された800余点の中から選び抜かれた作品を中心に、国内外の主要なコレクションを網羅した本展は、複雑にして多面的な要素を持つ藤田芸術の真髄に触れる絶好の機会となるでしょう。未公開作品多数を含む本展が、藤田芸術の新たな解釈と理解につながることを期待します。

Ⅰ章 模索の時代1909年~1918年
 藤田は、東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科を卒業した後の1913年に憧れのパリの地を踏みました。しかし、翌年には第一次世界大戦が勃発。仕送りも途絶え苦しい生活の中で描いた作品を紹介します。

Ⅱ章 パリ画壇の寵児1919年~1929年
 数多くの異邦人画家が活躍した、後に「狂乱の時代」と呼ばれる1920代のパリで、藤田は画壇の寵児として、日本人では初めてといっていい大きな成功を手にしました。ここでは、藤田の名を広めた裸婦像や社交界の人物を描いた作品を展示します。

Ⅲ章 さまよう画家1930年~1937年
 1930年代の藤田は、アメリカから中南米、中国、そして日本と、各地を転々としながら制作を続けます。ここでは、旅から得た主題を鮮烈な色彩で描くなど、1920年代の作風とは大きく異なる作品を展示します。

Ⅳ章 戦争と国家1938年~1948年
 藤田の画業の中でひとつの頂点をなすのが、国家の要請で描いた戦争画です。ここでは、大きな問題をはらむ戦争記録画3点と、並行して描かれた作品を展示し、藤田の生涯を考える上で重要なファクター、戦争と国家、そして、それらと画家の関係を探るきっかけとします。

Ⅴ章 フランスとの再会1949年~1963年
 戦争画制作とその責任を問う議論の数々に傷ついた藤田は、1949年に日本を離れ、1950年ニューヨーク経由でパリに到着します。ここでは、藤田の画業の新たな展開といえる、懐かしいパリの街並みを描いた作品や、愛らしい子供を描いた作品をご紹介します。

Ⅵ章 平和の祈り 1952年~1968年
 カトリックの洗礼を受けた1959年以降、藤田は、それまでは余り描くことのなかった宗教画を描くようになります。西洋絵画の大きな流れに掉さしつつ、自身の内なる平和と世界の平和を同時に願った藤田晩年の制作を紹介します。

関連イベント

■記念講演会
 7月17日(日)午後2時より約90分
 講師:浅田彰氏(批評家)
 演題:フジタを追って -世界史を横断したトリックスターの足跡
 場所:ミュージアムホール(定員250名〔友の会会員優先座席あり〕)
 聴講無料(要観覧券・整理券※)※当日午前11時からホワイエで整理券を配布
 
■連続講演会「フジタヘの視点」
 第1回藤田嗣治の1930年代-東西の狭間での葛藤-
 8月7日(日)午後2時より約90分
 講師:深谷克典氏(名古屋市美術館副館長)
 第2回藤田嗣洽「乳白色」の真実
 8月21日(日)午後2時より約90分
 講師:内呂博之氏(金沢21世紀美術館コンサーベーター/キュレーター)
 第3回藤田嗣治の戦争と美術
 講師:河田明久氏(千葉工業大学教授)
 場所:いずれもミュージアムホール(定員250名)聴講無料、要観覧券

■学芸員による解説会
 7月30日(土)、8月6日(土)、8月20日(土)、9月17日(土)
 いずれも午後4時より約45分
 場所:レクチャールーム(定員100名) 聴講無料
 
■ミュージアム・ボランティアによる解説会
 会期中の毎週日曜日、午前11時より約15分
 場所:レクチャールーム(定員100名)聴講無料

■おやこ解説会
 8月6日(土)、8月20日(土)いずれも午後1時30分より約30分
 場所:レクチャールーム(定員100名)要申込、参加費無料
 お問い合わせ:こどものイベント係 Tel:078-262-0908
 
■KEN-Vi名画サロン特別上映
「FOUJITA-フジター」(2015年/日本・フランス/2時間6分)
 監督:小栗康平
 出演:オダギリジョー、中谷美紀、アナ・ジラルド、アンジェル・コモー
 7月24日(日)①10:30~12:40 「FOUJITA」上映 ②14:10~16:20「FOUJITA」上映
 ※各回入替制
 ※12:50から小栗康平監督のトークショー
 (1回目、2回目どちらかの映画入場券が必要)
 場所:ミュージアムホール(定員250名)
 料金:大人1、300円(一般、シニア共)、芸術の館友の会会員500円
   NPO神戸100年映画祭賛助会員800円、NPO神戸100年映画祭正会員無料
主催:兵庫県立美術館アートフュージョン実行委員会、NPO神戸100年映画祭、兵庫県映画センター
お問い合わせ:兵庫県映画センター内
       KEN-Vi名画サロン係 Tel:078-331-6100

主催・協賛・後援

主催:兵庫県立美術館、産経新聞社、神戸新聞社、NHK神戸放送局
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本、公益財団法人伊藤文化財団、兵庫県、兵庫県教育委員会、
  神戸市、神戸市教育委員会、関西テレビ放送、ラジオ大阪、
  サンケイリビング新聞社、サンケイスポーツ、夕刊フジ、
  サンテレビジョン、ラジオ関西
協賛:一般財団法人みなと銀行文化振興財団、GREG C.K.LIU FOUNDATION、TKG Foundation for Arts & Culture、トヨタ自動車、野崎印刷紙業
協力:日本航空、日本貨物航空
特別協力:ランス美術館

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