菊地武彦

creator avotor 菊地武彦 キクチタケヒコ
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近作に『線の形象』という題名を付けました。これは描く行為を前面に出した『線の気韻』、また絵の具が作り出す自然な表情に寄り添った『土の記憶』とは少し違った方向性の作品です。今回の題名は、同じところに同じように何回も線を重ねることで、もとの線とは異なる大きな塊の新たな形象が生まれるという意味を持たせました。

画面に現れた形象は絵具の量感によって一瞥は面的に見えますが、意識としてはあくまで線の集積です。また、出現したかたちは具体的なもののようであって、抽象的です。また抽象的ですが具体物にも見えます。線と面、物質とイメージ、具象と抽象といった両義性を持った画面が生まれるときが、表象の始まりであり絵画が立ち現れる瞬間です。その瞬間のリアリティーを留められたら幸いです。

菊地武彦

[コンセプト]
プリニウスは『博物誌』の中で、ある娘が恋人の影の輪郭をなぞったことから絵画が始まったという逸話を残しています。この物語のひとつの解釈として、絵画の起源が線を引くことであると理解できます。線は実在と不在、行為と痕跡、物質とイメージなど様々な設問を同時に含んでいますが、それは絵画が太古の混沌を含む多様な構成体であることを示しています。絵を描くこと=線を引くことはそのような始原に立ち返ることであると言えます。

In Natural History, Plinius gives us a story of a girl who drew a silhouette of a lover, which resulted in the origin of paintings. From this story, we can formulate a hypothesis that the origin of paintings is to draw a line. A line contains various questions such as existence and absence, action and trace, and material and image, which shows us the fact that a painting is a structure with variety, containing ancient chaos. Painting a picture as drawing lines can bring us back to such origin.

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プロフィール
1960 栃木県足利市生まれ
1982 多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
1984 多摩美術大学美術研究科大学院 修了
多摩美術大学絵画学科油画専攻 教授

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[主な個展]
1984 ギャラリー山口(銀座)
1987 日辰画廊(銀座)
1989 日辰画廊(銀座)
1993 日辰画廊(銀座)/ ギャラリーインザブルー(宇都宮)
1994 ギャラリーイセヨシ(銀座)
1995 ギャラリールネッサンス(新宿)
1996 資生堂ギャラリー(銀座)/ ギャラリーYOU(京都)
1997 フタバ画廊(銀座)/ ギャラリーインザブルー(宇都宮)/ アートギャラリー閑々居(新橋)
1998 ギャラリーYOU(京都)
1999 フタバ画廊(銀座)/ ギャラリー銀座汲美(銀座)
2001 「土の記憶」・アートギャラリー閑々居(新橋)/ 「土の記憶」・東邦アート(銀座)
2004 「土の記憶」・東邦アート(銀座)/ 「月次絵」・アートギャラリー閑々居(新橋)
2007 「五風十雨・五十部の細道図」・東邦アート(銀座)/ 松坂屋本店(名古屋)
2008 「土の記憶」・ギャラリー碧(足利)
2009 「平土林」・ギャラリーインザブルー(宇都宮)/「武蔵野は」・コートギャラリー国立(国立)
2010 「雨・土・光-循環の風景」・ギャラリーファンタジア(佐野)
2011 菊地武彦展(Plusプリュス・アートフェアー)(新橋)
2012 菊地武彦展(アートギャラリー閑々居)(新橋)
2015 「線の形象」REIJINSHA GALLER(東京)
2016 「菊地武彦のしごと・2009年~2015年」ギャラリー碧(足利)
2016 「菊地武彦展 -線の形象-」ワグナー・ナンドール アートギャラリー(栃木)
2017 「菊地武彦展-2011~2017-」FEI ART MUSEUM YOKOHAM(神奈川)

[主なグループ展]
1979 行動美術展(東京都美術館ほか)
1983 第4回北関東展(栃木県立美術館)
1985 文化庁主催現代美術選抜展
1987 栃木の作家展(栃木県立美術館)
1989 文化庁主催現代美術選抜展
1989 安田火災美術財団奨励賞展 新作秀作賞受賞(安田火災東郷青児美術館)
1991 安田火災美術財団奨励賞展 (安田火災東郷青児美術館)
1991 現代日本美術展(東京都美術館ほか)
1992 現代日本美術展(東京都美術館ほか)
1993 軽井沢ドローイングビエンナーレ(脇田美術館ほか)
1994 現代日本美術展(東京都美術館ほか)
1994 「第1回VOCA展1994 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館
1995 現代日本美術展(東京都美術館ほか)
1995 今日の日本画-第13回山種美術館賞展-(山種美術館ほか)
1995 足利ゆかりの作家展(足利市立美術館)
1995 線について-不在のモダニズム、不可視のリアリズム-(板橋区立美術館)
1995 斉藤典彦・寺田和幸とのグループ展「ボディラインはあなたのために」(フタバ画廊)
1998 「日本画」純粋と越境-90年代の視点から(練馬区立美術館)
2000 「VOCA展2000 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館
2000 両洋の眼展(日本橋三越ほか)
2000 栃木県美術の20世紀Ⅱ・「千年の扉」展(栃木県立美術館)
2001 日本画・現代と革新(天竜市立秋野不矩美術館)
2001 武彦VS健彦(ギャラリーイセヨシ)(菊地武彦・菅原健彦展)
2002 墨に五彩あり?(練馬区立美術館)
2003 あるサラリーマン・コレクションの軌跡~戦後日本美術の場所~(周南市美術博物館・三鷹美術ギャラリー・福井県立美術館)
2006 「画廊がいる『場所』-現代絵画の中の記憶・風景・身体」小杉放菴記念日光美術館(日光市)
2009 両洋の眼展(日本橋三越ほか)
2010 畑中優×菊地武彦(ギャラリー風)/ 菊地武彦・湯村光展(Doka Contemporary Arts:青山)
2011 I氏コレクション展(高崎市美術館)
2012 第5回東山魁夷記念 日経日本画大賞展(上野の森美術館)
2012 館林ジャンクション-中央関東の現代美術(群馬県立館林美術館)
2012 公募展ベストセレクション 美術2012(東京都美術館)
2012 光あれ!-光と闇の表現者たち(栃木県立美術館)
2015 「LINE・線」展(コレクション展4)栃木県立美術館
2015 「線とかたちの大冒険」佐野市立吉澤記念美術館
2015 「今どきアート/コレクターI氏の密かな楽しみ」富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
2016 「学芸員を展示する」栃木県立美術館
2016 「イチケン展」東京藝術大学正木記念館
2017 「光と色彩-大森薫子・菊地武彦・桑原弘明」高島屋本店(東京・日本橋)

[パブリックコレクション](収蔵順)
東郷青児記念・損保ジャパン日本興亜美術館(旧安田火災東郷青児美術館)
足利市立美術館
練馬区立美術館
栃木県立美術館
小杉放菴記念日光美術館
群馬県立館林美術館

[その他の活動]
2012 栃木県文化奨励賞受賞
2014-2016 産業マテリアルおよびスラグによる岩絵の具への応用研究(科学研究費助成事業)
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